仏式の一般的な作法とは?
まず、忘れてはならないのが霊園管理者への挨拶です。霊園の場合は管理事務所を訪ねます。寺院墓地の場合は僧侶への挨拶や本堂にもお参りしましょう。水汲み場で手を洗い清め、お墓に着いたらまっさきに合掌礼拝します。墓石に水をかけ、汚れやほこり、こけなどを洗い落とした後、水気が残らないように布類で拭き清めます。
お墓を清めたら、古くなった塔婆を抜き、花立てを洗い、新しい花を供えます。線香の束に火をつけた際は、燃え上がった炎を息で吹き消したり、燃えたまま横に寝かせるのは厳禁。必ず手であおいで消しましょう。また、菓子や果物などのお供えをする場合は、墓石が汚れないように、器か半紙などにのせて供えましょう。
拝礼の際は、手桶に新しく汲んだ水を墓石にたっぷりかけます。墓石を清め、仏の喉を潤すための重要な儀式で、数珠を持ち墓石の正面に向かって合掌礼拝します。家族や親戚など複数の人数でお参りする場合は、血縁の深い順に行うのが一般的です。合掌のときの姿勢は、一般にしゃがむか腰を低くしますが、これも宗派によって異なるため注意しておきましょう。
お参りが終わった後は、後始末をします。焼香は燃やしきるようにし、食べ物のお供物は鳥などに食べ散らかされないように持ち帰りましょう。帰るときも、霊園の管理事務所や僧侶への挨拶を忘れずに。

自分でできる、お墓の手入れ
「管理費を払っているのだから、霊園やお寺がお墓の掃除をするものではないの?」そう疑問に感じる人がいるかもしれませんが、この管理費は墓地の通路や緑地、休憩所など共有施設を管理するための費用にしかすぎません。先祖のお墓は自分で掃除をするのが基本です。ただし、家からお墓が遠いなどやむを得ない事情がある人には、定期的な清掃サービスもあるので、霊園の管理事務所や墓石を購入した石材店に問い合わせてみましょう。
お墓は専用の掃除道具がなくても、家庭にある身近な道具で十分きれいになります。逆に専用の掃除道具は、研磨剤の含まれているものが多いため、使い方によっては石に傷が付いたり、艶がなくなったりする場合もあるので注意が必要です。
墓石を洗う
水を含んだスポンジか、軟らかい雑巾や布で洗います。汚れがひどいときは、タワシで優しく磨きましょう。それでも汚れが落ちないときは、仏壇店などで売っているシミ抜き用の洗剤を使います。家庭用の洗剤は石が傷むおそれがあるので、あまりおすすめできませんが、やむを得ない場合は水で薄めたものを使いましょう。
彫刻文字の部分は、歯ブラシで汚れをかき出すように使うと便利です。磨き終わったらたっぷりと水をかけ、最後に乾いた布か雑巾できれいに拭き取ります。
草むしり
草むしりには小さな鎌を持参すると便利です。玉砂利の間の草の根っこが取りにくいとき、鎌があると簡単に取れます。また、玉砂利が土に埋もれて見苦しいときは、園芸用のシャベルで玉砂利を掘り起こし、目の粗いザルに入れ、水で洗ってから敷きなおしましょう。
手入れをするにあたって
お供物は持ち帰るように心がけましょう。お菓子や果物などのお供物は、そのまま放置しておくと腐敗したり、鳥などが食べ散らかしたりして、お墓の美観が台無しになってしまいます。お酒などを墓石にかけるのも、後から虫が集まってくるので避けた方がよいでしょう。また、ビールやジュースなどのスチール缶には要注意。いったん墓石に錆が染み込むと、普通の掃除では除去できなくなります。